Vol. 1
5 February 1996

Kilimanjaro Village Forestry Project

 僕が勤務するプロジェクトはタンザニア北部のキリマンジャロ州サメ県にあり、キリマンジャロ村落林業計画という日本語名が付いています。家を借りる州都のモシからは100km以上も南で、車で通勤します。現在サメの住環境があまり良くないため、1時間以上かかり不便ですがこうしています。

同僚のMr. Makupa です

 このプロジェクトは「社会林業」と言われるカテゴリーに入るもので、地域住民が自ら資源の管理を行い、持続的に彼らにとって必要な木々を育てていくことを支援します。

 地域住民を支援する、とは言っても、日本国内のルール上プロジェクトは技術的・経済的にタンザニア政府を支援し、住民への直接の支援はタンザニア政府が行うことになっています。

 またいつか書きたいと思いますが、こうした間接的なアプローチには限界があり、特にタンザニア等LLDC (Least Low Developed Countries) と呼ばれる極貧国では、政府が動くことを期待するのが無理と言えます。

 プロジェクトには僕を含め5人の日本人専門家が勤務しています。リーダー、業務調整員、造林、育苗、普及手法がそれぞれの担当分野で、僕の担当は育苗です。狭い苗畑の中だけで仕事をしていても誰も文句は言わないでしょうが、それでは面白くありません。

 またプロジェクトが大規模に苗木を生産するのと、地域の住民が必要な本数たけ生産するのとでは、技術的にも違いがあります。もう少しこの違いが把握できるよう、積極的に外へ出ていこうと策を練っています。

 プロジェクトはー応1998年1月14日までの予定です。でも内容的にはまだまだ準備段階で、ここで終わると中途半端になってしまうように思えます。また先に書いたようにタンザニア政府は技術の普及という面では、あまりあてにできません。プロジェクトがこのあたりまで考え、地域住民にメッセージを確実に伝える方法、例えば現地NGOの活用などを今後考えていくべきだと思っています。

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