Vol.19
2 May 1998

悲願達成 セレンゲティの木の上のヒョウ

 3月にまたまたンゴロンゴロセレンゲティに行ってきました。セレンゲティは確か4回目、ンゴロンゴロは…忘れました。今回は日本からモシに女子大生が二人ボランティアに来ていたので同行しました。世の中のおじさん達はこれを聞いただけで羨ましがっているようですが。

 アフリカはケニアとタンザニアをあわせて、この時までで既に7年近く住んでいることになります。サファリに行った回数は、数えることもできません。撮ったスライド写真もみかん箱サイズのダンボール一つでは収まらないくらいです。でも見たことが無い動物、あるいは見たことはあっても、満足できていない動物がいくつかありました。その筆頭が17号で路上で死んでいる写真を掲載したサーバル・キャットと、「樹上で寝そべるヒョウ」でした。

 ヒョウは今までにケニアで数度見たことがありました。しかし、餌でおびき寄せたものとか、薮の中を歩いていく後ろ姿とか、そうしたものばかりで、よく絵葉書にある、木の枝の上でくつろいでいるものを見たことがありませんでした。運が良い人は、一度しかサファリに行ったことが無くても見られるのに、「何で僕だけ(;_;)」という気持ちでいました。

 セレンゲティは比較的ヒョウがよく見られるはずの所なので、今回はあらかじめサファリカーのドライバー兼ガイドに「ヒョウが見たい!」と強く言っておきました

 セレンゲティについて二日目、朝からドライバーはヒョウを探してくれましたが全く見つかりません。午後になっても駄目で、夕刻が迫ってきたころでした。道を何台かのサファリカーが猛スピードで走っていきます。こういう時は、何か珍しい動物が見つかったという情報が入って、そこへ向かう時です。

 どんな動物ならサファリカーが飛ばして急ぐか、と言うと、場所によっても違うでしょうが、ライオンが比較的容易に見られるセレンゲティならチーター、あるいはハンティング・ドッグ、そしてヒョウと言った所でしょう。この時も無論ヒョウであるという確信はなかったのですが、とりあえず後をついて行ってみることにしました。

 10分ほど走ると、車が10台近く列になって停まっています。観察するとお客さん達は離れた所にある木の方を見ています。心臓が高鳴ります。列の端につき、他の人の双眼鏡の先を追ってみると、いました!悲願の「樹上のヒョウ」です!

 でも遠い!それにかなり暗い!写真が撮れるかどうかの限界です。他の車の人達はほとんど撮影はあきらめているようです。

 僕はおもむろに500mmのズームレンズを取り出し、車に固定します。それを見た他の車のお客さん達の目から出る「うらやましい光線」が痛いくらいです。ファインダーを覗きます。「と、遠い。」500mmでもちっちゃくしか写りません。それにヒョウは木の影に、その向こうには空と、コントラストの強い難しい光線です。設定を変え、何度も何度もシャッターを切ります。

やっと見れたヒョウ

 帰り道には雨が降っていたために写真が撮れなかったものの、生きたサーバル・キャットも見ることができ、二つの悲願が達成できたサファリでした。

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