Vol.15
12 October 1997

トペトペの甘酸っぱい季節

 「トペトペ?来た!またきっと嫌な虫の話だ!」はい、トペトペという虫、見かけはウジみたいで気味が悪いですが、噛むととってもジューシーで甘酸っぱさが口いっぱいに広がり…なんて嫁が来なくなるような話ばかり書くわけが無いじゃないですか。

 たびたび我が家の庭のバナナの話を書いていますし、マンゴーやマエンベ・ンゴンゴ、パパイアがあることもちょっと書いたかもしれません。ところが最近、僕がまだ知らなかったフルーツがあったのです。それがトペトペです。

 トペトペとはどんなフルーツか?日本語ではなんと言うのか知りませんし、日本では見たこともありません。英語ではサワーソップなどと呼ばれていて、チェリモヤの仲間です。サワーソップはともかく、チェリモヤ(日本語ではシャカトウ)はひょっとすると高級フルーツ・ショップにおいてあるかもしれないので、見て、せめて匂いくらいは嗅いでみてください。

トペトペとバナナ トペトペはハート形をキュウリ風にカーブさせたような形で、表面には大きなうろこと刺のようなものがついています。サイズは大きな物で指まで含めた僕の手のくらいです。左の写真がそうです。わかるでしょうか。チェリモヤの方は、もう少し形が整っており、刺も無くて見かけがお上品です。

 さてこのトペトペ、甘酸っぱい白い果肉で僕は大好きです。去年の今頃には実など付けておらず、僕はてっきりただの木(変な言い方ですね)だとばかり思っていました。去年は干ばつだったので、実を付けなかったのかもしれません。

 トペトペはタンザニアの人にも人気があって、商品価値が高いためか、結構苗木を欲しがる人もいます。このトペトペをフルーツサラダに入れると最高!

パッションフルーツ トペトペが自分の庭にあってとぺっとも(苦しい)ハッピーな気分でいた所、庭師のジョセフが丸っこい緑色の実をいくつか持ってきてくれました。「あれ、こんなものあったっけ?」とよく庭を見回すと、ジョセフの住む使用人ハウスの前に棚が作ってあり、蔓性の植物から実がぶら下がっています。一部の人にはもうお分かりでしょうが、こちらはパッション・フルーツです。

 これは熱帯各地にありますから、ご存知の読者も多いと思います。日本語ではトケイソウといわれるもので、面白い形の、美しいけど、ちょっとけばい花が咲きます。品種によってジュースにされたりもしますが、フルーツサラダに入れると、程よい酸味と、種のつぶれるプチプチ感がたまりません。

 僕の毎晩の食後のデザートは、フェリスタおばさんの作ってくれるフルーツサラダと決まっています。今年はトペトペにパッション・フルーツ、そして量は少ないですがグアバまで庭から収穫できて、ウハウハ状態です。

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