Vol. 1
5 February 1996

三日月の船

 日本や欧米では昔から三日月がよく顔にたとえられます。でも子供の頃に読んだ本によると、とある南の島国ではこれが船にたとえられているそうです。こんなに傾いていて船?その時は子供心にそう思いましたが、以前ケニアに住んでいる時に月を見て気がつきました。

 日本の三日月は顔を左に向けているはずです(あれ?右だったかな?最近月を見てないのでわからなくなっちゃった。)。近くに三日月がないときは、石鹸のマークでも見て確かめてください。では南半球で見る三日月はどうかというと、お察しの通り(驚いたことに、かな?)顔を日本とは反対の方に向けているのです!

 オーストラリアにいた時に会った旅行者の女の子は、友達のオーストラリア人に「三日月の向きが違うような気がする」と言ったそうですが、「そんな馬鹿な」と一蹴されたそうです。この話を聞いても意外と気付いている人は少ないのかもしれません。

 それはともかく、更に科学する心で想像するに、赤道に近い場所では、両者の間を取って本当に水に浮く船の形に見えるはずです。三日月は左向きの顔であると言う常識は、実は北半球の緯度が高い地方でしか通用しないのではないでしょうか。

 南半球の夜空は南十字星が有名ですが、タイミングよく南半球に来られる方は右向きの三日月も楽しんでください。なぜこんな現象が起こるかは下の図を参照に首をひねりながら考えてみましょう!

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