Vol.3
3 May 1996

停電の夜

 以前タンザニアでも停電が少なくなった、と書きましたが、それはあくまで以前に比べて、の話です。半日とか、丸一日電気が来ない、などということは今回来てからまだ経験していませんが、短い停電は雨季に入ったせいか、最近よくあります。

 先日もちょうど夕食を作りはじめた頃に停電。無論プロパン・ガスも予備に用意してあるので食事は作れます。夕食が終わり2階へ上がり、窓から外を覗きました。

 隣りの家の窓からはローソクかランプの淡い明かりが漏れています。近所の家々も皆同様です。キリマンジャロは雲がかかっているのか見えません。でもそれ以外の所は一面の星、星、星。うちの近所には自家発電機を持っているような金持ちは住んでいないので、何も邪魔する光もありません。地上の窓でゆれる淡い光と満天の星。反対側の窓に行って空を眺めるとそこには少し傾いた南十字星が、黒々とした木々のシルエットの上で光っていました。

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