Vol.3
3 May 1996

セレンゲティ再び

ンゴロンゴロのお花畑 4月の終わりに4連休がありました。おりから仕事上のお客さんも来ていたので、ンゴロンゴロセレンゲティに行ってきました。ンゴロンゴロは前回も書いたし、今度で行ったのも4回目だし、セレンゲティに限って書こうかと思ったのですが、今回が今までで最高だったので、また書いちゃいます。

 セレンゲティは野生の王国などでもお馴染みの、世界最大規模の国立公園です。面積は約150,000km2ありますが、関東全域くらいと思っていいそうです。(でもタンザニアにはさらに大きなセルー国立公園というのもあります。)

zebra さてではまずンゴロンゴロです。

 前回よりも雨が多く、クレーターの中は水浸しでした。では何が良かったか?花です。前回も雨季に入っていたため萌える緑が奇麗でしたが、今回はそれに花が加わったのです。部分的にはまるで黄色い絨毯を敷き詰めたように花が咲いています。そしてその中に立つ象、かけまわるオオミミギツネの一家。雲が動き、お花畑に濃淡ができます。クレーターの斜面の緑、空の青、雲の白、動物達。まさにEl paraisoにきたような錯覚に陥るほどの素晴らしさでした。

 南極以外の大陸すべてに足を踏み入れ、ヒマラヤもアマゾンも見てきましたが、今回のンゴロンゴロは最も印象に残った場所の一つとなりました。

 今回のサファリは最初からドライバー付きの四輪駆動車を頼みました。ホテル、食事全部合わせて3泊4日$600。最初はちょっと高いかな、と思いました。自分の車を使わない理由は長丁場で疲れる、車の屋根が開かない(サファリ専用車は大きなサンルーフから身を乗り出して外が見られる)、広いセレンゲティで道がわからない、などでした。結果的に$600でも満足したのは、ンゴロンゴロが予想外に素晴らしかった事もありますが、ドライバーの目が凄かったからです。

 

 

Serengeti セレンゲティに入ってすぐ、大きなヌーとシマウマの群れに出会いました。別に珍しい動物でもなく、この時期なら一つの群れが数千頭数万頭いてもおかしくありません。僕らは「ヌーか」なんて思っていましたが、急にドライバーが道を外れ、背丈の高い草の中に入って行きました。僕らには何も見えません。

Cheetah そして200mも走った所にいたのは、ヌーの子供を食べている一頭のチーターでした。チーターは見れたらラッキーな部類に入る動物です。草に埋もれていたチーターを、走る車の中からどうやって見つけるのでしょうか。僕らの車のドライバーはこの点特に優れていたようで、僕らに先行して走っていた数台の車はどれもチーターに気付きませんでした。この調子で帰り際にはライオンの家族(子供が超可愛い)も見つけてしまいました。

 後ろに見える岩がコプジェと呼ばれる物で、セレンゲティに点在しています。

 ンゴロンゴロの宿舎はクレーターの端にあるロッジで、部屋やテラスからクレーターの全景が一望できます。双眼鏡を使うと、クレーターの底にいる動物が確認できます。これもなかなか凄い立地のロッジですが、セレンゲティの宿舎もなかなかしゃれています。

 セレンゲティで泊ったのは、何年か前にケニアから来た時にも使ったセロネラ・ロッジです。ここはコプジェと呼ばれる、平原の中に所々露出している岩場を取り巻くように建ててあります。レストランへ行くには大きな岩をくぐり、レストラン自体は岩の上に屋根を架けたような構造で、部屋の一方が自然の岩になっています。

 ロッジの周辺にも動物がおり、部屋からインパラ、キリン、トピ(カモシカの仲間)が見られるし、岩場にはハイラックスやマングースが住んでいます。岩場に立ってしばらくじっとしていると、ハイラックスが出てきて交尾をするは、親子連れのマングースが出て来るは、サバンナ・モンキーは近づいて来るは、その後ろをヒヒがついてくるは、トカゲが這いまわるはもう大変です。でもふと思いましたが、やはり僕ら人間も、彼らの目から見たら大きめの猿にすぎないのでしょう。


 高原の緑一色の草地を赤い布を体にまとったマサイの戦士が歩いて行きます。風に吹かれ、鮮やかな赤い布の裾が流れます。マサイはパンツをはいていません。

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