Vol.10
28 February 1997

ラマダンの夜

 タンザニアは内陸部を中心とするキリスト教と、海岸部を中心とするイスラム教の両方が盛んで、両方の祝祭日が休日になります。

 キリスト教の休日は太陽暦にのっとったもので、イースターなどは毎年日が変るものの事前にいつかはわかっています。クリスマスはもちろん固定されています。

 ところがイスラム教の休日は、直接月を見て決められるため、大体この頃とは言えても、その前日にならないとわかりません。従ってカレンダーにも載っておらず、いきなり「明日は休日」なんて知らされると、とっても得した気分になります。

 さてイスラム教に関しては詳しくないのでよくはわかりませんが、1年の行事でイスラム教徒にとって最も重要なのは、どうやらラマダンのようです。ラマダンというのは陰暦で1年に1回(陽暦では時には2回になるのかな?)、新月から次の新月まで断食を行うものです。この期間イスラム教徒は日の出から日の入りまでの間一切の飲食ができず、厳しいところではつばを飲んでもいけないのだそうです。

 従って朝早起きして食事を取り、次の食事は日没後ですから、日中はみんなぐったり、暑い時期は特に仕事にも身は入りません。そして日が沈めばお祈りを済ませ、食事の時間ですが、これがまた大騒ぎになる訳です。

 僕の家の近くにもイスラム教徒が何人か住んでいるようです。モスクがあったりすると日の出前から拡声器を使って「みんな起きてお祈りしろー!」とやられるので大変なのですが、うちの近所ではではそれはありません。

 しかしこのあたりのイスラム教徒は、ラマダン中の夜、鐘や太鼓の鳴り物入りで騒ぐのが風習らしく、ドンチャンドンチャンうるさいこと。どうやら騒ぐ時間まで決まっているらしく、一番最後は夜中の12時なのです。こんな真夜中に太鼓を叩いて大声で歌ってが、30分から1時間続きます。

 アフガニスタンのタリバーンは、音楽を一切禁止しているそうですが、トルコには優雅に踊って祈りを表す宗派もあるそうで、イスラム教といっても色々あるものです。

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