Vol.7
10 May 1997

ナイロビフライ

 ケニアやタンザニアの周辺にはナイロビフライと呼ばれている小さな赤と黒の虫がいます。日本にいるアリガタハネカクシに似ているそうですが、同じ種類なのかどうかは知りません。さてこのナイロビフライ、雨季になると大量に発生しますが、ケニアでは保健所が出動して殺虫剤をまいていました。タンザニアではお金がないせいかそこまでしませんが、この虫がいるとタンザニア人は逃げまくります。

 それもそのはずこの虫には強力な毒があるのです。7mm程度というアリくらいのサイズですからどこへでも入り込んできます。また刺されなくても(おしりで刺します!)、うっかり潰したりすると体液に毒があるため皮膚炎を起こします。皮膚にできた炎症の水泡液が手についたまま目をこすろうものなら結膜炎に似た症状(これはナイロビ・アイと呼ばれるそうです)を引起してしまうという強烈な虫です。

 文献によると「この虫の本場はタンザニア北部のキリマンジャロ州」だそうで、そう、僕らが住んでいるあたりが本場なのです。確かにいるわいるわ。職場であるサメも、雨季になると夜明かりに集まってくるのかそこらじゅうにびっしりです。僕はまだやられていませんが、日本人で目をやられた人もいます。結膜炎に似ていてすぐ治りはしますが、相手は小さい上に大量ですから侵入を防ぐ手立てがありません。

 この虫の仲間は世界中かなり広く分布しており、被害もあちこちから報告されているそうです。虫に触れてからすぐ石鹸で洗い流すほかは、皮膚炎になってしまった場合あまり有効な治療法は無いようですが、数週間できれいに治るそうです。対策としては潰さぬように虫を勝手にはわせておくか、そっと払いのけるように、と本には書いてあります。

タンザナイト copyright© Since 1996 Hitonomori Co. Ltd.