Vol.5
17 August 1996

Girls are ambitious

 オーストラリアのメルボルンにいた時も女の子の留学生が多く、「日本人は男性よりも女性の方が元気だ」と書きましたが、ここタンザニアでもそれを感じています。

 8月に入りプロジェクトにも公式訪問者ではない、個人のつてを頼った見学者が3人ほど訪れました。みんな大学の3年生ですが、みんな女性です。学生のみでタンザニアまで来れてしまうとは、チキンラーメンをすすって本ばかり読んでいた僕の学生時代とは随分違いますが、まあそれはさて置き、みんな熱心で感心します。

 うち一人は特に「砂漠化問題に私で取り組めることはないか」と考えて勤めを辞め、学士入学して林学を勉強しているそうです。さすがに気合いが入っており、プロジェクトに5日間も通い、ちょうどカウンターパート対象に行われた参加型地域調査手法のセミナーも聴講しました。

 慣れない英語の講義で大変だったようですが、後からわからなかったな点を僕に確認しに来るなど、勉強熱心なことには驚きです。彼女は青年海外協力隊を志願するそうですが、徒手空拳で挑んでいた僕らとは違い、社会分析を行う手法をあらかじめ知ったわけですから、かなり強力な隊員になることでしょう。

 日本の終身雇用制度の中などでは女性はやはり不利でしたが、国際化と共にこの制度も少しずつ変わりつつあり、実力本位の社会へと変容してきているように感じます。こうした方向へもっと進むことになると、今の若い世代は圧倒的に女性の方が優秀だそうですから、日本を変えていく原動力となるのはきっと女性達になるのではないでしょうか。

 今や大学の林学科は、女子学生の方が多いこともあるそうです。僕らの頃は女子学生は「4年に一人」でした。僕の時にも一人女性の合格者がいましたが、辞退したらしく入学しませんでした。上級生が「新入の女の子はどこだ?」と、いもしない人の事を何度も聞いてきたので、鬼頭直子さんという見たことも無い人の名を今でも覚えているくらいです。

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