Vol.4
15 June 1996

Mama Felista

フェリスタおばさん 以前メイドさんを雇ったと書きましたが、それがママ・フェリスタです。ママというのはスワヒリ語でおばさんといったニュアンスで、つまりフェリスタおばさん、です。奇麗好きで信頼できるいいメイドさんです。

 彼女はパンは焼けるしケーキも焼けるし、僕はパンを焼いてもらうために電気オーブンを3万円の大枚(と言うほででもないか)はたいて買ってしまいました。だからことパンとケーキに関しては自給体制です。パンは普通の食パン、ケーキも何の飾り気も無い普通のパウンド・ケーキか、それがココア味になっているだけですが、なかなか上手に焼きます。

 他にもガス・レンジに付属するオーブンがあったのですが、何とメキシコ製のアメリカ仕様で、点火装置に電気を使うのですが、電圧の違いで使えないのです。もっとも使えても七面鳥が丸ごと入るくらいのアメリカン・サイズなので、パンを焼くだけには大きすぎます。

 料理は普段忙しくて帰りが遅い(と言っても日本と違い夜の7時頃)ので、あまり教えることができず、彼女が自分で作ることができる数少ない和食?の一つが、オムライスです。最初はチャーハンと区別して教えていたのですが、彼女にとっては卵を混ぜるか上に被せるかの違いとしか認識できないようで、いつのまにかフライドライスもオムライスも同じ物(つまりオムライス)をさす言葉になってしまいました。

 先日夜帰って来ると、彼女はフライパンで目玉焼きを二つ焼いていました。僕が「何を作るの?」と聞くと、「オムライスの上の卵を工夫してみた。」僕は一瞬絶句しましたが、時既に遅し、その晩はケチャップ・ライスの上に目玉焼きを載せて食べることとなりました。フェリスタおばさん、憎めない人です。

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