Vol.19
2 May 1998

タンザニアの飲み物

 TanzaNightの読者の中には下戸の方も飲兵衛さんもおられますが、タンザニアでは何を飲んでいるのか、あまり馴染みも無いと思いますので紹介したいと思います。

 まずノンアルコール飲料と言えば、一番にあげられるのが情けないことにコカコーラです。モシの町中コカコーラの看板だらけで、ついに町の中心にある時計塔までコカコーラの宣伝塔と成り果ててしまいました。コカコーラの製品の中でも、なぜかこちらの人はいかにも合成着色料と言った感じのファンタオレンジが好きなんですよねえ。

タンガウィジ コカコーラの悪口を言ってますが、実は僕はコカコーラの製品で一つだけ好きな物があるんです。この製品、タンザニア以外では見たことが無いのですが、他で見かけた方はぜひご一報を。

 ストーニー・タンガウィジというのですが、タンガウィジはスワヒリ語でショウガのことです。「なんだ、ジンジャエールじゃないの?」違うんですこれが。ジンジャエールと言うよりショウガの炭酸割なんです。かなりきつくて、うっかり鼻で息を吸いながら飲もうものならむせてしまいます。ただビンによってきつさが違うのがいかにもタンザニアですが。

 ちょっと意外なのがミネラル・ウォーターです。途上国ではたいてい大都市などで外国人向けに売っている物かと思っていたら、タンザニアではかなり普及しています。どんな小さな町へ行っても売っていますし、タンザニアの人が飲んでいるのも結構見かけます。

 銘柄も非常に多く、モシではもちろんキリマンジャロ山の湧き水から作っていますが、ダルエスサラーム産の物とか、ザンジバル産の物まであり、「本当にミネラル・ウォーターかよ」と疑問に思ってしまいます。

 さてアルコールと言えば筆頭はビールです。以前は銘柄も一つしかなく、ビンにラベルも貼られていない状況でしたが、最近は4、5種類は生産されています。タンザニアのビールのラベルはキリマンジャロ山とかゾウがプリントされており、味はともかく観光客には人気があります。

タンザニアのビール またついに缶ビールまで現われました。サファリ・ラガーと言うのですが、タンザニアにはアルミを扱う工場はありません。どこで作っているかと言うと、何とスワジランドでライセンス生産しているんです。そこまでして缶ビールを作らなくても…と思うのは僕だけでしょうか。

 地酒は各地にあるようですが、モシ周辺で一般的なのはバナナを醗酵させて作る、ポンベという酒です。

 ひょうたんの柄杓に入れて飲むのが伝統で、底が丸いですから、飲み干さないと置けない、ということのようです。アルコール度はそれほど高くありません。

 僕が飲んだのは町中のレストランですが、あまり美味いとは思えませんでした。村の中で上手な人が作る物はおいしいそうですが。でもこれを村で飲んでひどくお腹を壊した日本人もいます。

 ワインも忘れてはいけません。アパルトヘイト廃止以降、南アフリカ産の物が多く入ってきていますが、これは安くて味もいけます。良く買うのは日本円にして800円くらいですが、僕の舌にはこれくらいで十分です。

 タンザニア産のワインもあり、最近しゃれたラベルが貼られたきれいなビンに入って売られています。通称産地の名前を取ってドドマ・ワインと呼ばれている物です。話によると随分以前からあったそうですが、かつての味はひどい物だったそうです。さて、ビンもラベルも変わって気分一新、つられて買い込んできた方の家に呼ばれて味わってみましたが、変わっていたのは外側だけでした…。

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