Vol.14
7 September 1997

Are you civilised?

 先日僕らのプロジェクトを評価するための調査団が来訪しました。その結果を受けて、多分僕はあと2年タンザニアにいることになりそうですが、それは正式に決まり次第またお知らせします。

 さて評価調査も終わり、タンザニア政府の人も交えたカクテル・パーティーがありました。なんて言うときらびやかな外交官が立ち並ぶ姿を想像する方もいるでしょうが、もっとずっと質素なもので、出てきた料理もサモサ(インド風揚げ餃子?)とか、ゆで卵だとか、まあそんなものです。その席上タンザニア側のお偉方と話をしました。

 彼はキリマンジャロ山麓の出身、つまりはチャガ族です。以前にも書きましたが教育レベルが高く、各界に最も進出している民族です。一般的にプライドが高く、他の民族を見下した態度を取る人が結構いるのですが、彼もそんな一人でした。

 プロジェクトのあるサメ県の真ん中にはパレ山脈が走っており、そこには主にパレ族が住んでいます。彼はパレ族の生活に関して全然知らないらしく、現場を見たことのあるタンザニア人が説明しても、「Are they civilized?(彼らは分明化しているのか?)」などとひどいことを言います。

 無論多少冗談めかして言っているのだとは思いますが。さらに言うことが振るっています。「彼らはバナナを食べるのか?」チャガ族の主食はバナナ、どうも彼の分類ではバナナを食べない民族は野蛮人、となっているようです。実を言うとパレ族は非常にチャガ族に近い民族で、生活形態も大した違いはありません。ですから無論バナナを食べます。「食べる。」と言うと、「そんなことはないだろう。」と全然信用しません。どうやらサメは通過するだけで、道の通っている乾燥地のイメージしか無いようなのです。政府の高官がこれでは困ってしまいます。

 彼は多分チャガ族でも良家の出身でしょうし、知識も豊富でモシという地名の由来など、面白い話も聞かせてもらいました。でもねえ。こんな人ばかりでないことは知っていますが、チャガ族が結構疎まれる理由が良く分かりました。

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